グローバル化の進展に伴い、大学入学や留学申請における英語能力証明のニーズが多様化しています。これまで主要な選択肢とされてきたTOEFL iBTやIELTSに加え、近年ではDuolingo English Test(DET)の導入が世界的に拡大しています。
本稿では、Duolingo English Test、IELTS、TOEFL iBTの3試験を比較し、それぞれの特徴や利点を明らかにします。すべての情報は、各試験の公式情報源に基づいて構成されています。
各試験の基本情報
試験名 | 試験時間 | 受験方法 | 結果通知 | 受験料(目安) | スコア送信 |
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Duolingo English Test | 約60分 | 自宅(オンライン) | 48時間以内 | $70 | 無制限・無料 |
IELTS | 約2時間45分 | 試験会場(対面) | 最大14日 | $200〜$300 | 5校まで無料 |
TOEFL iBT | 約2時間 | 会場または自宅 | 約2〜5日 | $200〜$300 | 4校まで無料 |
Duolingo English Testは、短時間での受験と迅速な結果通知を可能にしており、費用面でも他の試験と比較して優位性があります。また、オンライン完結型であることから、時間や場所の制約を受けずに受験できる柔軟性も特徴です。
出題形式と評価方法の違い
試験名 | 評価対象スキル | 主な出題形式 |
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Duolingo English Test | 読解・聴解・会話・作文(4技能) | AI適応型、選択式、タイピング、音声録音等 |
IELTS | 4技能 | 記述式、選択式、対面によるスピーキング面接 |
TOEFL iBT | 4技能 | 選択式、記述式、音声応答型の設問等 |
Duolingo English Testは、AIによる適応型出題を採用しており、受験者の応答内容に応じて出題の難易度が変化する設計となっています。これにより、効率的かつ精度の高い言語能力評価が実現されています。
スコア換算表(公式換算基準に準拠)
Duolingoスコア | TOEFL iBT換算 | IELTS換算 | CEFRレベル |
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160 | 120 | 8.5〜9.0 | C2 |
145 | 113〜116 | 7.5 | C1 |
125 | 93〜97 | 6.5 | B2 |
105 | 70〜75 | 5.5 | B1 |
85 | 47〜52 | 5.0 | A2 |
Duolingo English Testのスコアは、TOEFLやIELTSのスコアに対応する換算が公式に公開されており、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)にも準拠しています。これにより、各国の大学等が求める要件と照らし合わせながら適切な試験を選択することが可能です。
Duolingo English Testの主な特長
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完全オンライン試験:PCとインターネット環境があれば、世界中どこからでも受験可能
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迅速な結果通知:試験終了後48時間以内にスコアが発行される
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無料で無制限のスコア送信:出願先が多い受験者にも最適
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受験料は$70:他試験と比較して大幅に経済的
これらの特徴により、DETは「柔軟性」「効率性」「経済性」を備えた現代的な英語試験として注目されています。
世界中の教育機関における採用状況
Duolingo English Testは、現在世界5,000以上の教育機関に公式に認定されており、その中にはColumbia University、Yale University、MIT、UCLAなど、米国のトップ大学も多数含まれています。
かつては補助的な試験と見なされていたDETも、現在では主要な英語能力証明手段の一つとして国際的に定着しています。
結語
英語能力試験の選定においては、目的、試験形式、受験環境、費用、スコア送信の柔軟性など、複合的な観点からの検討が求められます。Duolingo English Testは、これらの要素をバランス良く満たす選択肢として、多くの受験者に適しています。