2026年9月施行|アメリカF-1学生ビザ制度の変更を解説-D/S・OPT・転校への影響

最終更新日:2026年7月23日

 

アメリカ国土安全保障省(DHS)は、F-1学生などの米国での滞在期間を管理する制度を変更する最終規則を公表しました。

新しい規則は、2026年9月15日に施行される予定です。

今回の変更は、F-1ビザの申請方法そのものを全面的に変えるものではありません。しかし、アメリカへ入国した後の滞在期限、プログラムの延長、学校の転校、卒業後のOPTなどに大きく関係します。

現在アメリカに留学している方だけでなく、2026年秋以降に高校・大学・大学院・語学学校への留学を予定している方も、早めに内容を理解しておくことが大切です。

この記事では、米国政府の最終規則をもとに、日本人留学生と保護者に関係する主な変更点をわかりやすく解説します。

 

【この記事の要点】

2026年9月15日以降、F-1学生の滞在管理には、主に次の変更が予定されています。

 

・I-94の「D/S」が原則として廃止され、具体的な滞在期限が記載される
・1回の入国で認められる期間は、プログラム終了日まで、最長4年間となる
・4年を超えて在学する場合は、滞在延長申請などが必要になる
・OPT申請時に、滞在延長申請も必要となる場合がある
・最初の1学年を修了する前の転校や専攻変更が原則として制限される
・卒業後などの出国準備期間が、原則60日から30日に短縮される
・2026年9月15日以前から米国にいる学生には経過措置が設けられる

 

なお、「F-1ビザでは4年間しか留学できなくなる」という意味ではありません。

4年を超えるプログラムへの在籍も可能ですが、これまで必要でなかった追加手続が必要になる可能性があります。

 

1.F-1ビザの「D/S」とは

現在、F-1学生がアメリカへ入国すると、入国記録であるI-94の滞在期限欄には、具体的な日付ではなく「D/S」と記載されるのが一般的です。

D/Sは「Duration of Status」の略で、日本語では「在留資格を適切に維持している期間」といった意味です。

現在の制度では、学生が次の条件を満たしている限り、I-94に具体的な滞在期限は設定されません。

 

・フルタイムの学生として適切に在籍している
・I-20が有効である
・SEVISの記録が適切に維持されている
・F-1学生に関する就学・就労規則を守っている

 

例えば、やむを得ない理由で卒業が予定より遅れる場合、現在は、学校の留学生担当者であるDSOがI-20のプログラム終了日を適切に延長することで対応できるケースが一般的です。

しかし、新制度では、このD/Sによる管理方法が原則として廃止されます。

 

2.2026年9月15日以降は、I-94に具体的な期限が記載される

2026年9月15日以降にF-1としてアメリカへ入国する学生には、I-94の「Admit Until Date」に具体的な滞在期限が記載される予定です。

原則として認められる期間は、次のとおりです。

 

・I-20に記載されたプログラム終了日まで
・ただし、1回の入国につき最長4年間
・これに加えて、原則30日間の出国準備期間

 

米国政府は、I-20に記載されたプログラム期間をもとに滞在期限を決め、4年間を超える期間については自動的には認めない仕組みへ変更します。

そのため、今後はI-20の有効期限だけでなく、I-94に記載された具体的な日付を確認することが非常に重要になります。

 

3.「アメリカ留学が4年間までになる」という意味ではない

今回の変更について、最も誤解されやすいのが「最長4年間」という部分です。

新しい規則は、F-1学生が4年以内に必ず卒業しなければならないと定めるものではありません。

大学の学士課程や博士課程、幼少期からの私立学校留学など、4年以上かかるプログラムへの在籍も引き続き可能です。

ただし、米国内に継続して滞在したまま、I-94の期限を超えて学業を続ける場合は、原則として次のような手続が必要になります。

 

 1.学校のDSOから、延長後のI-20を発行してもらう
 2.米国市民権・移民局(USCIS)へ滞在延長を申請する

 3.USCISから延長の承認を受ける

 

滞在延長には、通常、Form I-539またはその後継様式が使用されます。

また、一度米国外へ出て、有効なI-20などを使用して改めて入国審査を受け、新しい滞在期間を認めてもらう方法も想定されています。

つまり、4年を超える留学が禁止されるのではなく、4年を超える場合の在留管理が、これまでより複雑になるということです。

 

4.2026年9月15日以前からアメリカにいる学生はどうなるのか

2026年9月15日の時点でアメリカ国内に滞在し、F-1ステータスを適切に維持している学生には経過措置があります。

I-94がD/Sとなっている学生は、原則として、次のうち該当する期限まで引き続き滞在できます。

 

・2026年9月15日時点で有効なI-20に記載されたプログラム終了日
・OPT中の場合は、雇用許可証(EAD)に記載された終了日
・ただし、原則として最長でも2030年9月15日まで

 

経過措置の対象となるF-1学生については、その後に従来の60日間の出国準備期間が認められます。

したがって、2026年9月15日に突然、すべての既存留学生がI-539による滞在延長を申請しなければならなくなるわけではありません。

 

5.9月15日以降の一時帰国・海外旅行には注意が必要

既にアメリカへ留学している学生にとって、特に注意が必要なのが一時帰国や海外旅行です。

2026年9月15日以前にD/Sで入国している学生でも、9月15日以降に米国外へ出て、F-1としてアメリカへ再入国すると、再入国時に具体的な期限のあるI-94が発行される可能性があります。

つまり、一時帰国や海外旅行をきっかけとして、D/Sによる経過措置から、新しい固定期限制度へ移行する場合があります。

9月15日以降に海外渡航を予定している学生は、出国前に学校のDSOへ次の点を確認することをおすすめします。

 

・現在のI-94がD/Sになっているか
・I-20のプログラム終了日はいつか
・再入国後に予想されるI-94の期限
・卒業やOPTの予定に影響がないか
・将来的に滞在延長が必要になるか

 

再入国後は、必ずオンラインでI-94を取得し、記載内容を確認してください。

 

6.ビザ、I-20、I-94は、それぞれ役割が異なる

アメリカ留学では、ビザ、I-20、I-94が混同されることがあります。

しかし、それぞれ役割が異なります。

 

【F-1ビザ】

アメリカの空港などで、F-1学生として入国を申請するための査証です。

ビザの有効期限は、原則として「いつまでアメリカへの入国を申請できるか」を示します。アメリカ国内にいつまで滞在できるかを直接決めるものではありません。

 

【I-20】

学校が発行する、学生のプログラム、学校名、専攻、開始日、終了予定日などを示す書類です。

 

【I-94】

アメリカへの入国後、実際にどの在留資格で、いつまで滞在を認められているかを示す入国記録です。

新制度では、特にI-94の期限管理が重要になります。

有効なF-1ビザを持っていても、I-94の期限を過ぎて合法的に滞在できるとは限りません。

反対に、米国内で適切なF-1ステータスを維持している場合、パスポートに貼られたF-1ビザの期限が切れても、直ちに不法滞在になるわけではありません。ただし、米国外へ出た後に再入国する際は、原則として有効なビザが必要になります。

 

7.OPTを希望する学生への影響

OPT(Optional Practical Training)は、F-1学生が専攻分野に関連する実務経験を得るために利用する就労制度です。

現在、卒業後のOPTを申請する学生は、通常、雇用許可申請であるForm I-765をUSCISへ提出します。

新制度では、OPTの期間が現在のI-94の期限を超える場合、原則として次の2つの申請が必要になります。

 

・OPTの雇用許可申請
・F-1としての滞在延長申請

 

つまり、雇用許可を得るためのI-765だけでなく、米国内に滞在する期間を延長するためのI-539も必要になる可能性があります。

ただし、経過措置があります。

2026年9月15日時点でD/SによりF-1ステータスを維持しており、2027年3月18日までにPost-completion OPTまたはSTEM OPTのI-765を期限内に提出する学生については、そのOPT期間のための別個の滞在延長申請は原則として求められません。

なお、滞在延長申請中であることと、就労できることは同じではありません。

原則として、OPTによる就労は、I-765が承認され、EADが発行され、記載された就労開始日を迎えてから可能になります。

 

8.卒業後の猶予期間が60日から30日へ短縮

現在、F-1学生は、通常、プログラムまたは認められたOPTを終了した後、60日間の出国準備期間を与えられます。

新制度の対象となる学生については、この期間が原則として30日に短縮されます。

この30日間は、次のような手続や出国準備のための期間です。

 

・アメリカから出国する
・適切な次のプログラムへ進学する
・認められる場合に在留資格変更などを申請する
・住居、銀行口座、荷物などの帰国準備をする

 

この期間は、自由に就労できる期間ではありません。

なお、2026年9月15日以前からD/Sで滞在している学生のうち、経過措置が適用される場合は、従来の60日間が維持されます。

 

9.最初の1学年を修了する前の転校が原則として制限される

今回の変更は、学校の転校にも影響します。

新制度では、大学院課程より前の教育レベルに在籍するF-1学生は、原則として、最初にI-20を発行した学校で最初の1学年を修了するまで、次の変更が制限されます。

 

・別の学校への転校
・専攻などの教育目的の変更
・教育レベルの変更

 

対象には、大学の学部課程だけでなく、高校やその他の大学院未満のプログラムも含まれます。

ここでいう「1学年」は、必ずしも3学期という意味ではありません。

学校の学事暦によって異なります。

 

・Semester制では、通常2学期
・Quarter制では、通常3学期
・その他の制度では、その学校が定める1 academic year

 

学校閉鎖など、学生本人の責任ではない重大な事情がある場合は、SEVPが例外を認める可能性があります。

しかし、「学校が自分に合わなかった」「別の学校の方が希望に近かった」といった理由だけで、最初の1学年以内の転校が認められるとは限りません。

 

10.高校留学では、最初の学校選びがさらに重要になる

高校留学では、入学後に環境が合わなかった場合、別の学校への転校を検討することがあります。

しかし、新制度が施行されると、最初の1学年を修了する前の転校は、原則としてこれまでより難しくなります。

そのため、出願前に次の点を十分に確認する必要があります。

 

・学校の教育方針
・授業の難易度と英語サポート
・卒業に必要な単位
・日本で取得した単位の移行可否
・寮またはホームステイの生活環境
・学校の立地と週末の過ごし方
・スポーツチームへの参加条件
・留学生へのサポート体制
・転校が必要になった場合の選択肢

 

これまでも学校選びは重要でしたが、新制度のもとでは、「まず入学して、合わなければすぐに転校する」という計画は立てにくくなります。

学校名やランキングだけではなく、学生本人の性格、英語力、学力、生活経験、卒業後の進路まで含めて、最初の学校を選ぶことが一層重要になります。

 

11.大学院生の転校や専攻変更には、より厳しい制限

大学院レベルのF-1学生については、さらに注意が必要です。

新制度では、大学院課程に在籍する学生が、プログラムの途中で別の学校へ転校したり、教育目的を変更したりすることが原則として制限されます。

やむを得ない事情がある場合には、SEVPが例外を認める可能性がありますが、大学院進学を予定している学生は、研究内容、指導教員、プログラム構成、修了までの期間などを、入学前に十分確認する必要があります。

 

12.同じ教育レベルや下位の教育レベルへの進学にも制限

新制度では、ある教育レベルのプログラムを修了した後、同じレベルまたは下位のレベルのプログラムへ移ることについても制限が設けられます。

例えば、次のような進路には注意が必要です。

・学士課程修了後、別の学士課程へ進む
・修士課程修了後、別の修士課程へ進む
・大学院修了後、学部課程へ進む
・学位課程修了後、語学学校へ移る

一方で、一般的な進学経路である次のような上位レベルへの進学は、引き続き可能と考えられます。

・高校から大学
・学士課程から修士課程
・修士課程から博士課程

個別のプログラムがどの教育レベルとして扱われるかは、学校のDSOへ事前に確認することが重要です。

 

13.語学留学にも関係する変更

F-1ビザで語学学校へ通う学生も、新しい固定期限制度の対象です。

語学プログラムについては、在籍できる期間に関する別の制限も設けられるため、長期間にわたり語学学校を移りながら滞在する計画は、これまでより難しくなる可能性があります。

また、語学学校から大学や専門課程へ進む場合も、教育レベルの変更、学校間のSEVIS移管、I-94の期限などを総合的に確認する必要があります。

語学留学後に大学進学を予定している方は、語学学校だけを個別に選ぶのではなく、その後の進学経路まで含めて計画することが望まれます。

 

14.日本人留学生が今確認しておきたいこと

 

【2026年秋以降に新しく留学する方】

・I-20のプログラム開始日と終了日
・F-1で入国できる最も早い日
・入国後に発行されたI-94の期限
・プログラムが4年以上になる可能性
・途中で転校する可能性
・卒業後にOPTを希望するか
・次の教育レベルへの進学予定

 

【既にアメリカへ留学している方】

・現在のI-94がD/Sか具体的な日付か
・2026年9月15日時点で有効なI-20の終了日
・2026年9月15日以降の一時帰国・海外旅行の予定
・OPTまたはSTEM OPTの申請予定日
・卒業、転校、専攻変更、進学の予定
・将来、I-539による滞在延長が必要になる可能性

 

【入国または再入国した後】

・I-94をオンラインで確認する
・Class of Admissionが「F-1」になっているか確認する
・Admit Until Dateを確認する
・氏名やパスポート番号に誤りがないか確認する
・I-94のデータを保存する
・誤りがある場合は、速やかに学校のDSOへ相談する

15.今回の変更で、アメリカ留学ができなくなるわけではありません

今回の制度変更は、アメリカ留学そのものを禁止したり、一律に4年間へ制限したりするものではありません。

一方で、これまで学校側によるI-20の更新を中心に対応できた手続について、USCISへの滞在延長申請が必要となるケースが増えます。

また、転校、専攻変更、同じ教育レベルへの再進学、OPTへの移行についても、早い段階から計画することが重要になります。

特に未成年の高校留学では、学生本人が制度をすべて理解し、期限を管理することは簡単ではありません。

出願時の学校選びだけでなく、在学中のI-20・I-94管理、一時帰国、卒業後の進路までを見通して準備する必要があります。

 

プランBの考え方

留学では、出発することだけが目的ではありません。

現地で学び、生活し、必要に応じて進路を調整しながら、最終的な目標へ進める計画を立てることが大切です。

今回の制度変更によって、最初の学校選びと、留学期間全体を見通した進路設計の重要性は、これまで以上に高まります。

株式会社プランBでは、学校の知名度や表面的な情報だけで留学先を選ぶのではなく、学生一人ひとりの英語力、学力、性格、競技環境、生活経験、卒業後の進路まで考慮してご案内しています。

今後も、米国政府および教育機関から公表される情報を確認し、日本人留学生と保護者の皆様に関係する内容を随時お伝えしてまいります。

 

よくある質問

Q.F-1ビザでは、アメリカに4年間しか留学できなくなるのですか?

いいえ。4年を超える留学も可能です。

ただし、1回の入国で認められる滞在期間は、I-20のプログラム終了日まで、かつ原則最長4年間となります。4年を超えて米国内で学業を継続する場合は、滞在延長申請または出国後の再入国などが必要になる可能性があります。

Q.2026年9月15日より前にアメリカへ入国すれば、新制度は関係ありませんか?

必ずしもそうではありません。

9月15日時点でD/Sにより適切に滞在している学生には経過措置がありますが、その後に米国外へ出て再入国すると、具体的な期限のあるI-94が発行される可能性があります。

Q.現在アメリカに留学中ですが、すぐに滞在延長申請が必要ですか?

2026年9月15日時点でD/SによりF-1ステータスを適切に維持している学生は、原則として直ちにI-539を提出する必要はありません。

ただし、I-20、EAD、海外渡航、OPTの予定によって扱いが異なるため、在籍校のDSOへ確認してください。

Q.卒業後は30日以内に必ず帰国しなければならないのですか?

新制度の対象者は、原則としてプログラムまたは認められた実務研修の終了後30日以内に、出国するか、適切な進学・在留手続を行う必要があります。

経過措置の対象となる既存のD/S学生には、従来の60日間が認められる場合があります。

Q.高校生も転校制限の対象ですか?

高校を含む、大学院より前の教育レベルのF-1学生は、原則として最初の1学年を修了するまで、転校や教育目的の変更が制限されます。

やむを得ない事情についてSEVPが例外を認める可能性はありますが、自由に転校できることを前提とした留学計画は避けるべきです。

Q.OPTを申請する場合、何が変わりますか?

新制度の対象者は、OPTの雇用許可申請に加えて、F-1としての滞在延長申請が必要になる場合があります。

ただし、2027年3月18日までに適切に申請する一部の学生には経過措置があります。申請時期と現在のI-94によって扱いが異なるため、学校のDSOへ早めに相談してください。

Q.入国後、最初に何を確認すればよいですか?

オンラインでI-94を取得し、次の内容を確認してください。

・氏名
・パスポート番号
・Class of AdmissionがF-1であること
・Admit Until Date
・D/Sまたは具体的な日付の記載

新制度では、I-94の期限を見落とさないことが特に重要です。

 

ご注意

本記事は、米国国土安全保障省、米国移民・関税執行局および米国教育機関が2026年7月23日までに公表した情報をもとに、日本人留学生と保護者の皆様に向けて一般的な内容を整理したものです。

移民規則の適用は、入国日、I-94、I-20、SEVIS記録、在籍課程、OPTの状況などによって異なります。また、今後の政府機関による運用指針、規則の修正、裁判所の判断などにより、内容または施行時期が変更される可能性があります。

本記事は、個別の法律上または移民上の助言を提供するものではありません。具体的な手続については、在籍校のDSO、米国政府機関または米国移民法を取り扱う専門家へご確認ください。

 

主な参考資料

・米国国土安全保障省/Federal Register
「Establishing a Fixed Time Period of Admission and an Extension of Stay Procedure for Nonimmigrant Academic Students, Exchange Visitors, and Representatives of Foreign Information Media」

・米国移民・関税執行局(ICE)/Student and Exchange Visitor Program

・University of Washington International Student Services
「DHS Publishes Final Rule Replacing Duration of Status」